失 題(X)/
信天翁
両指先で
卒寿を過ぎた ひたいを 撫で
深くなった 皺を 揉む
なんのことはない
臨死の岸部が
さざ波を 打っているのだ
公園の木立ちに
森のカラスが 遊びにきた
老残よ 変わりはないか と
戻る
編
削
Point
(0)