Not the Soul / 魂は違う/若原光彦
で、とてつもない差。その感覚。
魂ではない。魂は違う。
私にはわからない。知性とは何だろう?
時間は人を等しく運ぶ。そしらぬ顔をして、日常が戻り。二度と戻らない。
ある出来事があって。私は髪形を変えようか、どうしようか、真剣に悩んだ。月並みだけれど。私の中で何かが変わったのがわかったからだ。その何かを忘れたくなくて。変わったんだということだけでも忘れたくなくて。自分の肉体の、何かを変えてみようかと何度も迷っていた。髪を大きく切るか。ピアスホールを空けるか。どちらもなんだか怖い気がして、結局どちらもやらずにいる。はた目には何も変わってない。
だが魂は違う。
私にもし魂があるとしたら。今後もあり続けるとしたら。私の魂よ。私とともに歩め。そして私がどんな状態に陥っても、周囲がどう移り変わっても、私の魂よ。意識と命の続く限り、あるべきものはまだここにあると示せ。
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