鵯/ただのみきや
 
いている
彷徨いながら塵になれ
チャリティーがチュニジアでは鍵だ
釘を刺せ 五寸釘を
出る悔いは歌え
朝に夕にこむら返る
平和の足枷よ
風には空しさが必要だった
熱源と無限が必要だった
永遠はただ永遠のためだけにある
ゆでたまごには塩が必要だった
まるでつるりとむけてしまう
存在という殻から
つまらないものだと言いたげに
いらぬお世話と言いたげに
色のない世界でひとつの蕾が膨らんでいる
まるで昨日の夢のように
鵯の眼が落下する
夏草を釣り上げるこの季節に
最初の雨粒のような孤独さで
それも性かしら
左目が笑う




                       《鵯:2018年5月4日》










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