鉄棒と絶望を間違えて/こたきひろし
が歪んでねじれてしまう事が
一度や二度ではなかった
少年は気づかない間に大人になっていた
本当は子供と大人の間に境界線なんてなかったんだ
道の上には踏み越えなければならない壁が幾つもあらわれて
落ちていた石ころに何度も転んだ
大人になったら 本当の大人にならなければ
ただの負け犬にされてしまう
いつまでも右手をピストルに変えてなどいられなかった
大人になっても鉄棒の逆上がりはできない
だけどそんな事にかまってなどいられない
生きなければならないから
何のために生きるかはわからないけれど
戻る 編 削 Point(1)