三匹が斬る〆 現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻  其の壱百四拾壱〜其の壱百四拾八/肉球マニア
 
php?did=19288

この一連の歌は、戦時の若者の心境が題詠なのであろう。かれが当事者であったとは思えないので、素材をうまく使って組み立てた作品。「お父様 お母様 お許し下さいわたくしは鳥になります」などは特攻隊員の辞世の手紙を彷彿とさせる。このように自分以外の者に成り代わって言葉を発する資質は大事なものである。上田三四二はその著「短歌一生」で、「俳句は鞭のように言葉を使うが、短歌は帯締めのようにしなやかに物を捉えてゆるめない」と述べている。しなやかに物を捉えるという点で、本木はじめさんは、俳句よりも短歌の才が勝っているように思える。


□其の壱百四拾六

『新しい少女たち
[次のページ]
戻る   Point(4)