日常/卯月とわ子
「何処へ行くの?」
「病院だよ」
わざわざ服を着替えて
ドライヤーで髪を整え
かしこまって行く先は
毎月の定期健診
ばかばかしくて
貴方を見る目が細くなる
昨日を捨てて歩く貴方は
朝食を食べたことすら忘れて
わたしに薬の管理をされても
薬を飲み忘れる
一日に二日分の洗濯物を出し
よたよたと歩いて
話しかける先は犬猫
この家で貴方の相手をする人はいない
愛は無いのだろうか
どうせお見合い結婚だったんだもの
情けは無いのだろうか
貴方はソレを求めていないでしょう
会話のない家にも時間は流れる
枯れていく草木のように
知らぬ間に気付かぬ間に
貪られるだけ
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