とある男の独白詩/TAP
 
ていたよ。無理をするのをやめた時、僕はまっさきにテレビを捨てた。

久しく外に出てないな
太陽を嫌いになったのか
悪臭を放つ水槽の中で金魚が死んでいる
いまさら水を換えても蘇ることはない

快適といえばそうなんだ。誰かに傷つけられることもないし、誰かを傷つけてしまうこともない。次第に感情がのっぺりしてきて、何も感じなくなったみたい。寂しいとか、哀しいとか、そういう気持ち、僕は忘れたな。

心が荒んでしまったね とは、よく言われたけれど
心がなくなってしまったね とは、まだ言われていない
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