月光。/秋葉竹
てゆく。
冷たい小雨をはじき、
さまよう古代の戦士の亡霊たちとともに。
守るべき愛するふたりの、過去にない優しさ。
行くべき道ゆく人の、手に負えない優しさに
僕はどの色を僕の色にすれば良いのかを考えて
その砂漠を進む放浪亡霊のひとりとなり、
誰よりも、自分を手に入れたあたたかい
時の過ぎゆくアーケード街を通り抜け
自分を捨て去る時を過ぎても
その物語本を棄てる喪失感に耐えられなくなる。
そばにいる可愛い宝石たちや月光のことが、
この夜の純粋無垢な愛より
重要であるかのように
勘違いをさせられるほどだ。
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