信号待ちでみた白い夢/
秋葉竹
白灰色の雲の切れ間から
ひとすじの陽光が遠くの街路樹を照らす
さらさらと白い花びらが
降り落ちるような
明るさで。
その女の人が右の舗道へ渡りきり
それから行くべき道をまっすぐに歩き行くのを
女神に憧れる少年の優しい眼つきで
僕は見送ってギアをドライブに入れる
僕は僕の未来への道の途中で
立ち止まっていた過去の迷いを捨て去り
この白い花びら舞う街の風景へ向かって走り出す
新しい朝(あした)のなかへ。
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