とくべつな愛/秋葉竹
子供たちの
夜の闇は深いか、朝の訪れは遠いか。
とくべつな愛されかたをしたかった
紅色の、燃えるような声で。
いつもいつも、寒い朝食を済ませ
初めてのことなどなにもない時間を
整えてしまう牛乳を飲みながら。
そのとき、冷蔵庫のまえに立つ
正義の顔は朝のまぶしい日の光を見もせず
燃える悲しい希望の星を妄想し、
ただ、愛されたかったという戦わない鬼に
成り下がることだと気づくなら。
とくべつな愛されかたをしたかった
紅色の、燃えるような声で。
とくべつな愛されかたをしたかった
空色の、凍るような声で、でも。
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