ままごとあそび/ただのみきや
なる前に
女の瞳の中で月蝕が起きた
犬は吠えたが人には解らなかったそれが
どんな気持ちを現わしていたのかも何を伝えたかったのかも
男は泣いているようにも見え女は笑っているようにも見えた
その反対でも何一つ変わりはしなかったが
無邪気さは月の光の糸で踊るマリオネットのよう
どんな美しい言い訳を どんな悲しい理由を添えてみても
腐敗は止められない
詩を書く理由はいらない
腐敗が止まらないそれで充分だった
《ままごとあそび:2018年4月14日》
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