東京の歌/草野春心
 


  東京の歌は
  唇のようにさけんで
  凄くかなしかった

  打ち棄てた愛が 不意に
  わたしの頬を張る
  日が沈み 胸が冷える

  老いた男の
  灰いろのまなこ
  ふかい夜 稲光のはやさで凍てる



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