気球のような不思議/秋葉竹
い空の下に
住む罪人たちの未来を見続けて、
黒く引きずった肉体の罪を問い、
どこへも行けない誘(いざな)いが罠だとしても、
わたしはただひとりの、
代わるものなきひとりの人間としての
真実の夢を赤裸々に暴き立てて、
もう、転びまろびそうになりながら、
無反省な一歩を踏み出すのだ。
ほんとうに冷たい心、
今は溶けてなくなっている香りとなって
髪の毛の裏側あたりを漂う。
その悲しみを喰い殺した知性を
どこの、だれにも、わかってもらえず、
夜空に塵芥(ちりあくた)として飾りつけようか、
あたかも煌めく星々の如く。
まるで初恋の淡い想い出のように、
忘れたくても、忘れられなくして。
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