生きているのがやっとなんだ/坂本瞳子
なんとも気分がすぐれない
することなすことすべてが中途半端で
誰かれ構わず八つ当たりをしたいくらいで
良いことなんてもう起きないのではないかと
そんな風にさえ思う
息をつく
肩の力を抜く
そんな方法は忘れてしまった
月に向かって吠える
そんなことはできず
ただ項垂れて沈んでゆく
まだもうしばらく
こんな感じでいるのだろう
だからお願いだ
誰も優しくしてくれるな
閉じ込められた瓶の底で
大の字を描いてうつ伏せになって
後ろ髪を逆立てて海藻のように揺らす
それでなんとか自らの生命を示す
戻る 編 削 Point(7)