やまがら/藤鈴呼
山雀の チュンチュクチュンと 近付きたるも いと愛し
竹を集めた細長箒で蜘蛛の巣取りをしようかと
少しずつ 近付いて行くと
可愛らしい音が響く
どうやら鳥らしい
以前は その頬の色から
ホオジロかとも勘違いをしたが
ヤマガラと言う名の鳥である様子
何羽もいる
我が近付いていることを察知せず
唯だ 餌を求めて ついばんでいる大地には
枯葉の残りや 小石が 散らばっている
静かな恋が生まれそうなほどの ときめき
山の一部になってしまいたいような雰囲気
足を止める
ポケットからデジカメを取り出す
少しずつ 近付く鳥に
逃げるなよ と 静かに祈る
やわらかな時を求めて
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