昨夜は/こたきひろし
昨夜は戦争が勃発した
でも旧式の戦争だったから
ピカドンはとはいかなかった
ピカドンとはいかなかったから当然なが引いた
泥沼の戦争になった
道端には死者が転がって
道には戦車が血煙りを立てた
空からは爆弾がひっきりなしに投下されて街は火の海になり
人は逃げまどい逃げきれずに即死した
昨夜は戦争が勃発して
見るも無惨な世界が繰り広げられた
だけど俺ら戦争を知らない世代の人間には
夢の世界にしか映らなかった
そんな俺の足元で地雷が爆発し足が両方吹き飛んだ
とんでもない事態に陥っても
夢から覚める事はなかった
夢から覚める事はなかった
身の毛が総立つ恐怖から救われたりはしなかった
いったい何で俺は死ななきゃならないんだ
昨夜は目が覚めない内に
戦争が闇雲に始まった
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