春の太鼓/まーつん
めた
僕の中の何かが
二度と表に飛び出して
勝手な真似をしでかさないように閉じ込めた
自由を求める心が目覚めてしまった
この手で溶接した鋼鉄の檻の中で
まだ然程、老いていない肋骨の内側で
脈打ちだした第二の心臓
諦めという腐った土の下に葬った
美しい生き物が目を見開き
恐怖ではなく喜びをもたらすゾンビとなって
心の墓場から抜け出してきた
まだ生きようというのか
まだ苦しもうというのか
だが進もうが止まろうが
命はいずれ尽きるのだ
だったら好きに羽ばたくがいい、
我が心よ、
絶望し、喜び、泣き、笑い
己の行いの全てを受け止め
跳ね返してくる世界を相手に
抱きしめ、愛し、
その想いを刻み込めるよう
春の呼び声に応えて
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