あの頃と同じように赤い/ホロウ・シカエルボク
 
歩いているやつらを横目で見ながら
おれはずっとそんな気分を持ち続けて生きてきた
変ったことと言えば音楽がデジタルデータになったことくらいさ
友人たちよ、おれはまだここに居る、ここに居て、悪あがきを続けている
もしもまだおれの声が届くところにいるなら
もしもおれの言っていることが理解出来るというのなら
きみのあたらしい言葉を
年老いた少年であるきみのあたらしい言葉を
果し状のようにおれに突きつけてはくれないか
案ずることはないよ、それは馴れ合いにはならない
おれたちはきっと大人になることなんかないからだ
道端で長々と天気の話をしたり
薄っぺらい政治批判をすることなんか一生ないからだ
おれたちはすべてをさらけ出して出会ったから
訳知り顔をしてみせる必要なんてどこにもないってことさ
ずっと悲鳴が響き続けているような音楽が好きなんだ
おれの人生も昔っからそんなようなものだったからさ


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