未来は平和でならなければならない1/暁い夕日
でも、そうぞ、お許しください。私は平和だった頃に、戦争でも起きて、みんな死んでしまえとつぶやいた事がありました。お友達を殺したのはいつかの私なのです。ですから、主よ、あなたの言われたように私は敵を愛するように求められているのです。ですから、主よ、この現実を恨んだりせずに、ただあなたの救済を望むのです。どうぞ、世界が平和でありますように」
同じころ、満知瑠の知らない男の子が同じ町で空襲の被害にあっていた。男の子の名は春樹というが、春樹は目の前で父親と母親が空襲の戦火に燃え死ぬのを見た。男の子は泣きながら戦火を離れ、必死な思いで安全な高台へ辿りついた。 春樹の家は熱心な仏教徒であった。春樹は両親
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