散髪客/
ただのみきや
たいに遠い他人さ
だが風には圧力がある
実体なんてなくても海を発狂させるほど
そうして後には虚ろな静けさ
クルテンのしかめっ面を剥がせないまま
沈んで往く
水先案内は
オフィーリアのイメージを纏ってやって来る
おれはおれの空白と再会するのさ
痺れるくらい冷やしてくれ
おいおいあんたもおれなんだろう
《散髪客:2018年3月24日》
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