誤謬/
ただのみきや
九人の旅行者は幻影となる
すべては誤謬から始まった
焼却場の煙突が
そら一面にたれ込める灰色の雲を
自らの所業だと告解するように
蠱惑な女神の肉体に
神学の荷札を括りつける
殺処分されるイマージュ天使たち
幾重もの木霊と相殺し合うだけの
ことばを持つものは不幸だ
正そうとするものは
最初の一撃を否定する
母なる誤謬の
自らもその一編に過ぎないことを忘れて
《誤謬:2018年3月21日》
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