私/春日野佐秀
 
何かを伝えるために生まれた
それが 私

けれど何を伝えるのか
けれど誰に伝えるのか
忘れてしまった 時の中に
それも 私

たぶん言葉ではうまく言えないだろう
たぶん涙がでてしまうだろう

私の中を流れる河は
サラサラと何に狂わされることもなく
穏やかに時と化していく
何を知っているというのか
何を知らないというのか
何を知らなかったというのか 私は
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