出涸らしの慕情/笹子ゆら
 
なったあなたを、内側に通したくて、やっぱり、掬い上げて、飲む。呑む。のみほす。


苦い



それでさ、と誰かが声をかけてくる。
私、は、聞こえないように、素通りして。
かみ合わなさに、さびしくって、泣きそう。


 不条理ばかりが盤上に並べられている
 あなたはそのハンドルを回す
 轟音はすべてを誤魔化すように
 息をすることも忘れて


引き攣る
きりもなく
キリキリ
意地汚く
追う

最悪だ



ここが地獄なら、果てならば、どれだけ楽だか。あなたは知らない、だろう。私の苦しみはまだ、このぬかるみに足をとられて、その最果てには到達して、いない。まだまだ続く。永延、続く。あなたの幻影がゆらゆら、ゆらりと、私の目の端で震える限り。
あなたは笑っている。笑っているから、私も笑わなくてはいけない。


私の純情/恋慕/劣情
そろそろ勝手にさせてくれ


いいだろもう
劣化しろ



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