題名の考えつかない詩/こたきひろし
嘘の扱いに慣れて
言葉巧みに女を騙せたら
それはそれでしあわせなのかもしれない
嘘の扱いに慣れていて
言葉巧みな男に騙されたら
それはそれでしあわせなのかもしれない
女の紅く濡れた唇や
乳房の膨らみ 尻の張り
そして股間の盛り
それを支える両の脚
は 必死に
見ない振りをして
素っ気ない態度を装う事につとめていた
でもそれは単純に
男が臆病なだけ
そして変なプライドに足をくくられていた
から
避けきれない欲望が絶えずたえず襲ってくる
のに
自分に嘘を突きつける事の苦しさ
は
哀れに等しい
嘘の扱いが下手なばかりに
涎をたらしながらも
女にちかづくことも
抱くことも出来ない男は
ただの意気地無し
男と女の間に架かる橋に
善も悪もない
倫理は欠片さえもいらない
そんな自由が際限なく許されたら
世界は滅びてしまうなんて危惧してしまう俺は
ただただ
臆病な意気地無し
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