朝陽のあとで/ホロウ・シカエルボク
 
付けてくるやつが必ず居て、俺はしょっちゅうウンザリしてしまう…俺はなんていうか、指針を人に貰うような人間じゃないんだよね、既存のお題目が無けりゃ口も開けない人間とはちょっと違うんだ…それが良いこととも悪いこととも俺は思わないけれどね、だってそうさ、人間にはそれぞれの役割ってもんがあるんだろうから…表通りに出てどうするのかって?家に帰るのかって?まだだ、まだだよ、まだ家に帰るには早いんだ、眠れずに歩き出したこんな夜には、街の外れで夜明けを見てから帰るのさ、そうさ、どんなささやかな夜にだってご褒美はほしいものじゃないか…?

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