朝陽のあとで/ホロウ・シカエルボク
去るのが見えた、あれはきっと早く帰りたいのだ、それとももしかしたら、幽霊でも見たのかな?いまやこの街じゃ幽霊なんて怖いものでもないけれどね…どいつもこいつも華やかなりしころの夢を見てぼんやり歩いているばかりなんだから―真昼間から幽霊だらけさ、ゾンビなんてそんなアグレッシブなもんじゃない、幽霊、浮遊霊ってやつさ、澱んだ目をしてフラフラしている幽霊だらけだぜ―そう、この俺はいまだになんにも成しとげちゃいないけれど、確かに歩いているという自負だけは持っているのさ、ただ毎日をなぞるだけの連中に比べればね…だけどそんな自負がなんになるって言うんだろう?俺はいつだってそんなふうに考えるんだ、そんな自負になんの
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