無題/◇レキ
だった
きっと忘れると思った
2018/3/11
お兄ちゃん
ほら終わりと、情が優しく微笑みかける
しくしく泣いてもいないのにって
死の手招きをしているみたい
ほら日常と、情が優しく爪を立てる
壊れて千切れてもいないのにって
拳で叱りたがっているみたい
ここにもいないのに
どこにも行かない
どこかに行くこともせず
どこにも行けない振りすらできず
無いように隙間にもぐりこむから
毎日が陽だまりに死んでいる
残ってしまった空っぽの生
力むことも諦めることも忘れてただ世間を浴びている
反転してゆく感情を噛みちぎればしたたる事からも逃
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