クロッキー 3 脂喰坊主と九人の友達/AB(なかほど)
その朝に牌を置いて帰ってゆく
三郎
あれからさんらーは
縁石に腰掛ける星の番になり
毎晩、朝はまだかと聞いてくる
もう朝は
君が消えてしまう朝は来ないよ
歌
うたー の上の口は餅を食べる口
下の口は鬼を食べる口
その願いが世界中に届くといいね
それまで
竃の横で、小舟の上で餅を作る
木精
ゆうなんぎいはーめー
の糸のつつつとして静かに
編まれてゆく夜と朝の背中から
ブルッと
したらきじむなーに憑かれたんだよ
耳切坊主
眠れない夜を歩くと
あちらこちらの街角で
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