真逆の同一/ただのみきや
精神の死と肉体の死の間(はざま)に続く茫漠の荒野で
ぶつ切りにされた人間の断面を見つめていた
どんな言い訳も成り立ちどんな解釈も成り立つ
一枚の写真が辺りすべてを眩暈させる
朝の光に膨らんで破裂する姿の定まらない代物だった
瞳は太陽に飛び込んだ灯火に焦がれる蛾のように
声のない窓が内を外にして静かに燃えている
夏の浜辺に落ちている黒焦げのなにかを府眼して涎が赤い
冷め切る前に宇宙は飲み尽くされるだろう
暗い深淵の面に爪先立ちで踊る湯気のよう
朧な生を紡ぎに紡いで括ってみても
蜘蛛の糸で首を括るようなもの見上げては目を瞑り
欹てて混じり合う絵具のように干渉し
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