全く持って、私は嫌になるほど人間である/狩心
満たし、
割れた隙間からドンドンと塩水は流れ出てしまうけどお構いなしで
朽ち果てたログハウス
その魂達と会話している
僕たちは何故
生まれてしまったのだろう
凍えそうな冬の大自然で
君の温もりだけが信じられる
僕はこの宇宙が怖い
またここに来ようと呟いて、
でもきっと二度とここには来ないだろう
僕達の記憶は弱くて
今も未来も支え切れない
ハイテクの空飛ぶ車で小島から飛び去る
その時代のエンジン音と照明だけが力強く生きていて
僕達の魂は何度も幾つもの町へと落下していく
僕達は何度死ねばいいんだろう
滑空すればするほど無に近づいて行き
我を失っていく僕らは
その為に生まれてきたのだと確信している
二人とも気が狂って心中するのが望みだとしたら
誰がそれを否定できるだろう
そう僕が語ると
君はそんなのは嫌だと言って
可愛いお爺ちゃんとお婆ちゃんになって
手を繋いで歩くのが夢だと言う
君だけが僕の間違いを否定できる
だから僕は君が好きだ
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