シンデレラ/
卯月とわ子
シンデレラは風に吹かれて行ってしまったよ
あんなにか弱い子は初めてさ
僕の腕一本でその体を折ってしまえるとさえ思ったよ
遠目で見れば美しかったけれど
近寄れば魔法もなにもないね
僕はただのネズミだけど世界を知っているよ
シンデレラは自分が見えていなかったのさ
嘘吐きの鏡の前に立っては
それを全て信じ込んでいた
あんな姿を見たら王子だって嫌になるだろうさ
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