こたえのない曇りの日に/
唐草フウ
紙を破いたら
鳴りやむことを知らない
何度も何度も波が
静脈から動脈に往復する
黄色の傘を置いて
小さな傘を置いて
歩いてきてしまった
わざと忘れてきてしまった
日常は全然ゆるしてくれて
だれも知らない顔たちは咎めない
帰ってきたわたしは折り返しの照明スイッチを付ける
ペタと座ってぼおっとする
飛び越えた水たまりのことを あの傘のことを
思い出さない日のことを
戻る
編
削
Point
(6)