こたえのない曇りの日に/唐草フウ
 
紙を破いたら
鳴りやむことを知らない
何度も何度も波が
静脈から動脈に往復する

黄色の傘を置いて
小さな傘を置いて
歩いてきてしまった
わざと忘れてきてしまった

日常は全然ゆるしてくれて
だれも知らない顔たちは咎めない
帰ってきたわたしは折り返しの照明スイッチを付ける

ペタと座ってぼおっとする
飛び越えた水たまりのことを あの傘のことを
思い出さない日のことを












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