『わたしの仕様書』/ベンジャミン
やさしさを少しと
きびしさを適度にまぜて
コーヒーカップの中
白いミルクの渦のような
小さな宇宙を少しと
大きな腕で抱きしめて下さい
わがままを言うときもあります
驚くほど陽気な気分のときも
どれも わたしです
すべてを知ってほしいけど
すべてを知られてしまうのが怖い
そんな わたしです
窓ガラスに小石を当てて
砕け散ったガラスの破片の
一つ一つに映るどれもが
静かな水面を揺らして
不安定な人のかたちをしたまま
ぼんやりとあなたの中にいたい
勝手なことばかり
勝手に願ってしまうけれど
それでもいいなら
いつまでも
そばに居させてください
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