センブリの目線から/藤鈴呼
 


誰かの悪口を言う人は嫌い
唇が歪んで
涙で滲む視界よりも
もっと酷い景色を
雨樋越しに
押し付けられるかのような
不快感が あるから

愚痴っぽく火照った頬に
スコールの粒ひとつ
直ぐに止むから
傘を取りに行かなくったって
平気

上機嫌なままで振り返れば
見たこともない景色
背が低いと嘆く勿れ
誰にも見付けられず
足蹴にされてきた金貨に
気付ける 美しさ

シミッタレタ心のままで
染みっ垂れた雫を眺めると
太陽が 乱反射して
止まらない 笑顔
もっと続けば 良かったね

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