海/鷲田
りと見え
山はくっきりと形を成す
訪問者は今日の予定に忙殺され
旅人は遠くへ羽ばたこうとする
見よ、中国からの観光客が日本の歴史にはしゃいでいる
それは海がただ果てないからという理由で
憎むべきものは何なのか
昼の眩しさに両目がどうも開けられず
キラキラと音が鳴る
果てしなく突き抜ける空の蒼さ
鳶が旋回する
砂に反射する光に街は眼を覚ます
しかし、反発はしていない
我々がここにいる事実は
たいした意味を成さない
潮風が顔面を洗う
汚れた砂浜
縮れている昆布の香りと捨てられたタバコの吸い殻
散歩に来た犬が一匹、二匹と砂の上を走り回る
時刻
3の数値を僅かに過ぎゆく
海が見える邸宅の景色がやがて止まる
東に進むと空気の密度が黒くなる
海、言葉に溢れ
そして今日も何も言わない
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