サイレント・イノセンス/
塔野夏子
巡礼のような瞳をした
サイレント・マイノリティたちの
胸に眠る想いの泡立ち
言葉たちがほのかな帆をあげて
ページの水平線をこえて
この岸に近づいてくるから
桟橋を差しだそう
世界がどんな色の闇に沈んでいっても
目もくらむような突端で
どうしてもきらめいてしまう君のイノセンス
空を見上げたら
ひたいに透明な星がおりてくるのを感じて
歌い出すサイレント・マイノリティたち
あやうく途切れそうでいて
しなやかにつづいてゆくメロディーで
戻る
編
削
Point
(5)