小さな願い/
坂本瞳子
睡魔に全身を覆われているようだ
身体の芯が揺らぎ続け
目を閉じることも見開くこともできない
指先に力が入らず
涎が流れ続けているような
そんな気さえする
羞恥心などとうに捨てた
もしくはそんなものは
持ち合わせていなかったのか
冷たい夜風が頬を撫でる
涙一筋も流れることなく
雄叫びを上げるほどの力もなく
トボトボと歩きたいものよ
黄金の月が輝く空の下
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