のびていく豆苗の先はどれも、ふたば/
そらの珊瑚
酷だ
えとらんぜ
故郷へ帰るたび
あったものがなくなっている
旅館の跡地は駐車場に
シャッターを下ろした本屋
草ぼうぼうの公園は
空き家の庭みたい
知ってる、
こどもたちが去って
人でない何かが今の住人
電話ボックスがあった場所に
小さな花が咲いていて
空と交信している
(なくなるということは始まるということですか)
青いトランシーバー
即興の曲にえとらんぜという名前をつけて
口笛を
潮風に載せる
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