水虫ジュク夫「暇なジジイ」/花形新次
 
夜の11時に寝て
朝の7時に起きる
昨日買った
スーパーの売れ残り100円引き
生姜焼き弁当をチンして食べる
食べ終わると
もう何もすることがない

暇をしていると
嫌な思い出が次から次と
浮かんで来る
誰にも認められたことがない
気にも止められたことがない
みんな自分のことは
忘れてしまった
そのうち
自分も自分のことを
忘れてしまうのだろう

その前に
生きてきた証として
自称句を書いた
最後の人間証明だ

脳天に刺さる鉈から冬の虹

ホームでも友だち出来ず火事起こす

霜焼けと言い張る足に白癬菌


いやはや
暇だなあ、ジジイ!働けや!
おまえに食わすメシなんかねえぞ!


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