水虫ジュク夫「自称詩人列伝 ペペロンチーノ里帆」/花形新次
 
辛い人生を送って来た
家族もいない
友達もいない
猫も食べてしまった
でも私には
自称詩がある
才能が0だって
努力しなくたって
どっからか見つけてきた
フレーズをちょこちょこっと
変形するだけで
誰にも否定されず
下手すれば儀礼的とはいえ
イイねと言って貰える

例えばこんな自称詩

「自称詩人列伝 ペペロンチーノ里帆」

ペペロンチーノ里帆の自称詩を読むと
全身から力が抜けて行くのを感じる
ペペロンチーノ里帆の特徴は
ありきたりなフレーズと
意味のない繰り返し
節と節とのぶつ切れ感だ
何故こんな凡庸な自称詩を
人前に晒すことが可能なのか?
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