トランキライザー/じおんぐ
 
陽に照らされた幽霊は
決して嘘をつかなかった
見透かしたように
見定めたように
椅子に坐ったままだった

堪らず
睨み返したら
解りましたと嗤ってから
本当のことしか
云わなかった

眼を逸らしても
何時も前に

透きとおり 
浮かびあがっても
憧れの向こう

駆けて行きたい





戻る   Point(3)