中古の朝を宿す/虹村 凌
 
銀色の腸に詰め込まれていく
銀色のソーセージが回る
押しつぶされた細胞はノンアイロンじゃないから戻らないし
形の崩れた細胞たちは空の色を忘れてしまった

ガラスのようなビルディングに映る空と空は境界線が曖昧だ
大きな行灯のように光の絶えないビルディングは空を飲み込んでいるのだ
だから境界線がわからないの
影がビルディングに短く伸びていく

寒い肉を詰め込まれて
白い絵の具で夕焼け空が
新しい空に塗られていくので
それを宿したまままた
中古の朝を迎えに行く

見覚えのある朝
中古の朝
繰り返し鉄の腸に詰められて
回る
よじれた細胞は新しい空を歪ませて行く

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