優しい殺し屋/まーつん
そのビー玉の中に
小鳥が住んでるよって言ったら
少女は指で弾くのをやめて、
目を細め、陽の光に透かして
覗き込むようになった
そのボールの中に
昔亡くした筈の子犬が
隠れてるよって言ったら
少年は蹴るのをやめて
抱きしめるようになった
少しの間、
追いかけるのをやめ
立ち止まる為の
きっかけが欲しくて
大人達がつく、嫌らしい嘘
私たちが、神様から
この星の管理人を
任されているのだとしたら
何故とうにクビにされていないのか
不思議でならない
死刑台の列に並ぶ家畜
野獣からへし折った白い牙
ある気持ちのいい日曜の午後
猟銃で頭を吹き飛ばさ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)