歩きスマホ/
花形新次
肥大した自我は
己の脆弱さをも
忘れさせてしまうから
肩が触れた相手が
ちょっとしたことで
怒り狂い
路地裏に連れ込んで
そばにあったブロックで
頭部を殴打し
車のトランクに詰め込んだ後
最寄りの山中まで行って
穴掘って埋めてしまうのを
まったく厭わない人間だとは
想像もしない
気付いた時には
もう遅いのである
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