そしてリビングには少しだけ埃が積りはじめている/ホロウ・シカエルボク
欲望には名前がない、お前は、ガチガチに隆起した生臭い陰茎に幾重もの上等な理性の衣類をかぶせて、空咳みたいな微笑みを顔に張り付かせて表通りを闊歩している、慎重に計算された分だけ良く出来た嘘は真実より信じやすい、狡猾だと信じ切っているお前の手口は、巷の醜悪なファッション雑誌のバランスを欠いたコラージュみたいなクサレ○○○を釣り上げるには申し分のないシロモノさ、そう、キャンディを思う存分飲み込みたくて涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしていたあの頃から、実際お前はなにひとつ進歩してはいないんだ、百科事典はどんなに頑張ったって枕にはなりっこない、夢の見方さえ満足に知らないままで、成りだけ大きくなっちまった、
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