浮遊する椅子/Seia
 
が落ちる
はじける
ひざをつく
この階にはもうだれもいない
そとからみても
がらん
後ろでバケツがころがって
空き教室の椅子がひとつふたつ浮いた

屋根の上を点々と歩く夜は静かでした。
月も星もない空ですが、
何かしらのあかりは存在していて、
コンビニでも、
街灯でも、
自動販売機でも、
朝へ向かう闇の中を繋いでくれています。
昨日あったことを話す相手はいません。
時間の流れはとまらずに、
カーテンをしめるしめないで争っていた知らない生徒の声が、
だんだんと消えていくのを感じます。
赤く点滅を続ける信号機は、
それ自体が街の鼓動のようです。
とおくに車の音。
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