ある不器用者のソネット/
ただのみきや
おり紙を折った
なにを折ってもうまくは行かず
折り目と皺は増えるばかり
可燃ごみへ向かう手前
あと 一度だけ
翼はあっても翔べない鶴か
スーッと墜ちる飛行機か
色褪せて邑になった濃紺の裏っかわ
隙間もなく尖った文字で留められた
ふるえもだえる魂は
読まれることも知られることもなく
火葬される
息のように軽く
紙よりも薄く
《ある不器用者のソネット:2018年1月24日》
戻る
編
削
Point
(14)