断片/こたきひろし
空いちめんが綺麗に切り抜かれて
落ちてくる事態の
予報はなかった
そんなあり得ない気象は
僕の悪い夢の中で起こり
何の説明もないままに続きもなかった
目が覚めて
寝台で見上げた部屋の天井には
不安の染みが広がっていく
いつか
僕の体も干からびて
背死に横たわれば
虚ろな眼の向こうに天国なんて見えるんだろうか
記憶の糸を寄り合わせても
思いでなんて儚いものだろう
思考の森に吹くのは陰鬱な風
そして血が垂れるように降る雨
そんな空いちめんを綺麗に切り抜いて
僕の孤独な命の
はかりしれない痛みに被せてしまいたい
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