沈黙/葉leaf
 
夕陽を飲み干した
一本の裸木のように
男は街路を歩いている
詩が叙情であるなら
詩が青春であるなら
男の中でとっくに詩は死んだ
男は散文的な社会を
散文的な哲学を
老いと成熟とを
文章に託そうとしている
悲しみも喜びもいらない
論理的な社会を呑み込め
街路の複雑な構造の中で
今日、詩はあっけなく死んだ
そして今日
詩は違う淵から新しく生まれた

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