生まれゆく街/
はるな
ちいさな生活の
街に蓋をして
生まれゆく夜をこわすのだ
いいよ これからさき
どんな苦いスープを飲まされても
ひとつしかない夢をぬすまれても
それは美しい詩だった
ビルをなぎ払い 空を塗りつぶし
むつみあう恋人たちを端からひきさいて
来る朝を拒んでもなお余りある
罪よりも美しい
たったひとつの言葉のために
夜に蓋をして
生まれゆく街をこわすのだ
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